シニア用の「低タンパク質」を謳ったドッグフードを与えて安心していませんか?
生命の基礎をつくる最も重要な栄養素であるたんぱく質が「低」だなんておかしいと思いませんか?
今回は、良質のたんぱく質を食べさせることがいかに犬の長寿につながるか!についてお話したいと思います。
腎臓病などの理由で摂取タンパク質量に制限がある場合は獣医師の指示を守ってください
健康な老犬には健康な成犬よりも多くのたんぱく質が必要な理由
最近の高齢者が見た目も若くて元気な方が多いのは肉を多く食べているからです。
しかも長生きされている100歳以上の高齢者は、平均日本人より肉を多めに食べているというデータもあります。
100歳以上の高齢者は平均日本人より動物性たんぱく質を10%前後多く摂取しています。
良質のたんぱく質を多く食べることで、老化を緩やかに保ち健康寿命を延ばしていることがうかがえます。
生命の基礎をつくる最も重要な栄養素、それがタンパク質です。
皮膚、筋肉、骨、内臓、血液、髪の毛、その他もろもろ、すべてはたんぱく質からできているんですよ。
また、たんぱく質は健康を守るための免疫維持機能にも必要な栄養素です。
犬も人間と同じじゃないですか?
老犬にとっても、たんぱく質は健康寿命を延ばす上でとても大切な栄養素です。
ですが老犬になるとたんぱく質の代謝機能が落ちるため、若い犬と同じ量を食べても身になる量が減ってしまいます。
さらに、足りなくなったたんぱく質は筋肉から補われるため、老犬になって衰えている筋肉がますます細く貧弱になってしまいます。
シニア向けのドッグフードの中には「低タンパク質」を謳った商品が多いですが、あれでは十分なたんぱく質量が補えず、老犬の老化を加速させるだけです。
健康なシニア犬には健康な成犬の50%多くのたんぱく質が必要とのデータもあるそうです。
老犬にとっての良質なたんぱく質って???
タンパク質には植物性のタンパク質(米・小麦・大豆など)と、動物性のタンパク質(肉・魚・卵など)があります。
植物性たんぱく質と動物性たんぱく質の違いは必須アミノ酸のバランスです。
動物性たんぱく質の多くは9種類の必須アミノ酸が含まれますが、植物性たんぱく質の一部はそうでないものがあります。
体内への吸収率も動物性タンパク質97%に対して、植物性タンパク質は84%となっています。
タンパク質はアミノ酸にまで消化された後、体内に吸収されます。
そして体に必要なたんぱく質として再合成されます。
ちなみに、哺乳類である牛や豚などの肉は生物学的にヒトと近く、たんぱく質を構成するアミノ酸の組成が似ているため効率的に必要なたんぱく質に再合成されると考えられているそうです。
犬も哺乳類です。
ドッグフードによくある○○ミールのような家畜の副産物を砕いて粉末にしたたんぱく質ではなく、きちんとした「お肉」を与えてあげてください。
あなたのわんこの健康寿命が延びますように・・・(*’-‘)