昨年の11月末に何気なく受けさせた血液検査からわが家のわんこも慢性腎臓病を患っていることが分かりました。
犬には慢性腎臓病が多い事は漠然とは理解していましたが、まさかじぶんちのわんこが患うとは思っていませんでした。
この記事は慢性腎臓病と分かってから約半年間、食事療法など家庭で行った腎臓ケアの記録です。
Contents
慢性腎臓病発覚!半年間の腎機能数値の推移
犬の慢性腎臓病は1期~4期に分類されています。ステージが上がるほど重篤になっていきます。診断時では私の愛犬は3期でした。
IRIS(国際獣医腎臓病研究グループ)のステージ分類
ステージ | 血清クレアチニン | 残存腎機能 | 備考 |
1期 | 1.4mg/dl未満 | 33% | 特になし |
2期 | 1.4~2.0mg/dl | 25% | 多飲多尿など |
3期 | 2.1~4.9mg/dl | 10% | 様々な臨床症状 |
4期 | 5.0mg/dl 以上 | 10%以下 | 積極的治療がないと生命維持が困難 |
約半年間にわたる愛犬の腎機能数値の推移
※標準値より高いものは赤字で表記しています。
検査日 | クレアチニン | 尿素窒素(BUN) | 無機リン |
2018/11/26 | 2.26 | 58.5 | 5.3 |
2018/12/16 | 2.3 | 41 | 4.1 |
2019/1/6 | 1.8 | 36 | 4.1 |
2019/3/4 | 2.04 | 49.8 | 4.9 |
2019/4/6 | 1.4 | 32 | 4.9 |
2019/6/2 | 1.9 | 42 | 4.2 |
クレアチニンの数値だけを見ているとステージ2とステージ3を行ったり来たりしている感じです。
慢性腎臓病は不可逆な病気で、一度失われた腎機能を完治させることは出来ません。
治療の目的は残っている腎機能の維持となります。
獣医師のお話では、高齢なのでどうしても腎機能が低下してくるとのこと。これ以上悪くならないためにたんぱく質(リン)の制限が必要だと言われました。
たんぱく質には腎臓に負担のかかるリンが多く含まれているので、たんぱく質の摂り過ぎには注意しないといけません。
慢性腎臓病の療養食のドッグフードを勧められましたが、絶対食べないのは分かっていたので、人間の腎臓病の食事療法などを勉強して私が手作りすることに。
あと、これもすごく大切なのですが、しっかりと水分補給させること!
機能が低下した腎臓は以前のように効率良く老廃物をろ過して濃いおしっこが作れません。
腎機能が低下すると老廃物を体外に排出するために多くの水分が必要です。
慢性腎臓病の犬が多飲多尿になるのはこのためです。
上記の事から、飼い主の私が愛犬の腎機能を守るためにしなければいけないことは
●低リンを心掛けたごはん作り
●十分な水分補給
この2点を頑張りました。
工夫次第で腎臓にやさしいごはんが作れます
・・・と言っちゃってますが、私は専門家ではありません。
人の腎臓病療養食の作り方や注意点などを書籍やネットで勉強しただけですので、もし参考にされる方はその辺をご了承の上でお願いいたします。
療養食のフードを食べてくれなくなった子でも手作りごはんなら食べてくれるかもしれません。
また手作りごはんには水分が多いので、栄養と水分補給が一度に出来るメリットがあります。
お水を飲まない子でも煮汁を多くしてあげればガブガブ飲んでくれますよ。
ちなみに私の愛犬は煮汁をガブガブ飲んでいるので、今のところ下輸液療法は受けずに済んでいます。
慢性腎臓病わんこの手作りごはん◆リンの少ない食材を選ぶ
まず上記のサイトをご覧ください。
色んな食材のカテゴリーで100gあたりのリンの多い食品を確認できます。
犬に多く与えたい肉類でも、部位や加工によってリンの含有量が違っています。
例えば、鶏むね肉100g中200mgのリンが含有されていますが、これが鶏ひき肉になると90mgしか含有されていません。
私はDHA・EPAを与えるために青魚をよく使いますが、さばは100g中230mgのリンですが、ぶりでは130gです。
同じように、野菜や乳製品もリンが少ない食材を選んで手作りごはんを作っています。
慢性腎臓病わんこの手作りごはん◆水にさらしたり茹でこぼしてリンを減らす
野菜なら小さくカットして水にさらしたり、茹でこぼしたりするとリンが減らせます。
カットした方が断面積が多くなりリンが流れ出やすくなるのでおすすめです。
肉類や魚なら薄切りにして熱湯でしゃぶしゃぶしてください。
茹でこぼしたお湯は流出したリンが入っているのでごはん作りには使わないでくださいね。
必要なたんぱく質量を計算するには?
極端にたんぱく質の摂取量を減らしてしまうと、自らのたんぱく質を分解し始め、それがまた腎臓の負担になります。
こちらのサイトで体重や年齢に応じた必要たんぱく質や栄養が簡単に計算できます。
また慢性腎臓病の手作りごはんについて詳しく解説されていますので熟読することをお勧めします。
とろあえず、私は愛犬のたんぱく質量を1倍から始め、検査の結果が良ければ少し増やしたりしています。
獣医師と相談しながら、今はたんぱく質量を1.3倍で作って食べさせています。
十分な水分補給 煮汁は取り分けて水で希釈して飲ませています
私は水分たっぷりのおじや状の手作りごはんを作り、煮汁を取り分けておきます。
その煮汁をさらに水で希釈して水分補給に飲ませています。
私の愛犬の場合、無味無臭の水はほとんど飲んでくれないのですが、お肉や野菜の風味が付いていると与えれば与えるだけ飲んでくれます。
一日に必要な水分量も体重によって変わってくるので獣医師に相談すれば計算してもらえますよ。
以上がおおまかですが私が実践している家庭でのケアになります。